【大学入試共通テスト】英語3団体が対策本出版で謎が深まる
こんにちは。masaです。
毎日ブログ更新継続にチャレンジしています。今回は、教育業界で大きな話題となっている、センター試験に代わる「大学共通テスト」関連の、こんなニュースが気になって 記してみたいと思います。
英語の共通テストは「民間試験」を利用するという点で、多くの反発や議論が起こっているのですが、今回の民間業者の参考書に関して、多くの疑問や指摘がなされています。
参考書が発行される3つの試験
英語の大学共通テストに採用される民間試験のうち、
- GTEC
- TOEFLiBT
- TOEIC
の3つが、試験対策用の問題集を発行しています。
記事の中で
TOEICを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会は、「受験生が実力を発揮できるよう、試験内容をきちんと理解した上で受験してもらいたい」と説明する。参考書の問題の質を保つため、あえて試験を担当するスタッフが双方の作問に携わるという。
とあり、
一方、GTECを実施するベネッセコーポレーションは「試験の問題作成と対策本、講座の制作担当者を完全に分離する」と強調する。TOEFLiBTを行うエデュケーション・テスティング・サービス(ETS)は「テストの内容に慣れてもらうことがベストの対策だ」と狙いを話す。
ということで、業者によって対応は異なっています。
参考書を出版する業者とそうでない業者、さらに試験作成のスタッフがかかわる関わらないかという違い。この時点で、何か違和感を感じますね。不公平ではないですか?
しかし、東京大大学院の阿部公彦教授(英米文学)は「本番の試験内容に近くなければ参考書として意味がない。『的中』の問題が参考書に掲載されることはないだろうが、グレーゾーンの問題が紛れ込む可能性は否定できず『利益相反』だ」と指摘した。
「利益相反」…他人の利益を図る立場にありながら、自己の利益を図る行為
確かに、その通りのように感じます。
大学入試センターは参考書を出版していない
これまでセンター試験を作成していた大学入試センターは、センター試験に関わる参考書を出版していません。
- 過去問と解答を公開する
- 詳しい解説は、他の業者が行い、出版する
という形をとっていました。
過去問の解説書を他の業者が出版したり、対策本を出版しています。これは公平性を保つ仕組み。
しかし今回の民間試験によって、自社の過去問を自社が出版するという「利益相反」となり得る仕組みとなっていて、今までとは全く異なる方法となってしまっています。
今回の英語試験参考書についてコメント続々
続々と、今回の件についてコメントが寄せられています。
現在高2のまさにこの試験の該当者です。複雑なシステムのおかげで学校は大混乱しています。それに、教師ですら正しい情報を知っている人は少ないと感じています。(生徒が教師に聞いてもまだ詳細がわからないと言われる)このままではシステムを知らなくて受けられなかった…という生徒が少なからず出てくるのではないかと危惧しています。離島などの生徒に配慮するため、外部試験の受験は離島などの生徒以外は高3の間に受けた2回分を提出することになっています。換言すると、都市部の生徒は高2までの間に外部試験である程度の結果を残していても使えないということです。(バカバカしいことに、高3で同じ試験を受け直す必要がある。)すでに持っている資格のために再び受験料、参考書、交通費…。私はこの外部試験を使った入試制度が参考書や受験料による試験協会への利益を生み出し、天下りの助長をするものとしか思えません。
実際の高校生の悲痛の声が…
さらに
これから大学受験をする子供がいるので不安しかないですね、、、。
検定試験も複数回受けるので費用もかかりますし、参考書の出版社や塾産業が儲かる仕組みを教育に当てはめるのはどうかと思います。
日本企業が外資に買収されて上司が外国人になるから英語が必要だとか言われた時代も数年前にありましたが、今世の中を見ると英語を駆使して仕事をしている人は一部でほとんどの人にはそれほど必要ありません。
英語力を仕事に生かしている人は大学で留学していた人が多く、商社や国際弁護士として活躍している方を知っていますがいずれも大学や大学院で留学しています。英語で仕事をしたかったら大学入学後に授業の中で実践的な英語を教えたり留学するなどした方が身につくと思います。
実際は英語を使う以外の仕事に就く人の方が多く、もっと自分の将来に目を向けた教育をして、それを踏まえた大学受験にすべきではないでしょうかね、、、。
といった、根本的な意見を述べる方も。
民間試験の利用中止を求める署名 筆者の意見
そして、このような民間試験の利用中止を求める請願もなされています。
筆者の意見は、次の通り。
- 統一性のない複数の試験から一つを選び、受験するのはそもそも不公平
- 異なる試験の結果を同一の点数に変換することは、そもそも不可能
- 他の教科と同様、英語も共通テストとして作成すべき
なぜ、英語だけ民間業者に頼ろうとするのか、理解に苦しみます。
そして、最も被害を受けるのが
- 該当する受験生
- 学校現場の教員
でしょう。受験生は混乱必須で、さらに学校現場も混乱必須。
国立大学側も、民間試験の成績を採用する気はないようで、「中学卒業程度」の点数で出願可能とする大学も多いようです。
過去記事↓
まとめ
ということで、これらの記事をまとめると、こうです。
- 民間業者には、独自で参考書を出版する3団体あり。公平性に疑問
- 共通テストに対する悲観的なコメント多数
- 早くも英語の民間試験廃止に向けた運動が出始めた
2020年度から実施される「大学共通テスト」には、様々な疑問があります。
そもそも、センター試験から「大学共通テスト」に移行する理由とは何なのでしょうか。テクニックや暗記重視の学習から抜け出させたいから?
論理的思考力を問いたいから?
英語の4技能を測りたいから?
それよりももっと大事なことがあるでしょう。今回の「大学共通テスト」にはそれを見落としているとしか思えないのです。