共通テストに7割の受験生が不安を抱える センター試験復活もあり?
こんにちは、masaです。
2020年度から始まる、「大学共通テスト」。私もこれまで、このブログでいくつか記事を上げてきました。
そして、受験生となる現高校2年生を対象にしたアンケートによると、「7割の生徒が不安」を抱えているといいます。
その記事がこちら↓
原因は、主に二つ
- 従来のマーク式から、新たに記述問題を導入する
- 英語の民間試験導入
教育関係者からの「共通テスト」に対する風当たりは非常に強く、私自身も多くの疑問を抱いている一人なので、今回も記させていただきます。
英語の民間試験委託の問題点
英語の民間試験の大きな問題点は、
- 業者間で、対象となる英語スキルが異なる
- 受験生に「最大年2回」の受験を迫ることによる、経済的負担の増加
- 公平性に欠ける点数配分
そして、記事の中には次のような状況を危惧するジャーナリストのコメントも紹介されています。
試験会場がスピーキング試験の環境に適しておらず、待ち時間に前の人の会話が聞こえてくる場所もあるようです。一種の“カンニング”につながる恐れもあり、平等ではありません
このような状況は実際に起こり得ることかもしれません。どう考えても明らかに、公平な試験を受験生に提供できているとは言い難い。
初年度の「数学の記述式撤退」で深まる混迷
さらに、数学で導入予定の「記述式」を、初年度の試験から撤退することもアナウンスされました。
これで、共通テストに対する受験生の不安はさらに高まったと感じています。
一度「やる」と言われたことを、「やっぱりやらない」と言われたら、人は一気に不安になります。
「一部やらないなら、、一斉にやらない」という決断もアリだと思っていますが、入試を来年度に控えている受験生の立場から考えれば、それも酷な話。受験生が最も被害を受けている状態に変わりはないようです。
共通試験を廃止し、センター試験続行の可能性も?
ジャーナリストは記事の中でこう語っています。
あまり大きく報じられていませんが、TOEICの参加取り下げは大問題です。対象となる高校生は1万人ともいわれています。センター試験でリスニング機器の不具合が問題になるのは、毎年50~100人程度です。『民間試験に頼るのは無理』という声が今以上に大きくなり、共通テストを廃止し、センター試験を継続する可能性は十分にあり得ます 。
「TOEIC 共通テスト撤退」についての以前の記事です↓
願わくば、従来通りのセンター試験に戻ってほしい。(これは保守的な考え方でしょうか?)
しかし、これまでさんざん「共通テスト」をアナウンスしてきた建前、「やっぱり、センター試験に戻します」と言われてしまえば、受験生も学校現場もさらに混乱するでしょう。
変えるべき入試制度は「私大」
教師として受験生を指導していました。生徒の「表現力」を問う入試制度には賛成なのですが、共通試験に記述を導入するメリットは全くないです。
- 記述式導入により、莫大なコストがかかる
- 受験生が自己採点しずらい
- 記述の採点に時間がかかり、出願まで時間がかかる
これらのデメリットを差し置いて、なお「記述式の試験を導入する」価値があることを示されればいいわけですが、その価値を認める材料は一切なし。
むしろ、私は「私立大学」の入試制度を変えるべきだと考えています。
- 底辺(Fラン)の大学は、生徒獲得のために奮起する「ビジネス」と化している
- 推薦入試という制度によって、「低学力」の学生が増えている
「推薦入試」という制度の存在が、私立大学の入試を歪めている気がしてならない。
全国一律、問われる科目を共通化して(英数国の3科目)、「筆記試験」を課せばいい。必要なら、面接や小論文を取り入れて、さらに人物を評価すればいい。
しかし、私立大学の中には「小論文のみ」「面接試験のみ」といった大学が増え始めていて、これでは勉強しない学生を増やすだけだなと、教師をしていて感じていたことがあります。
まとめ
この記事のまとめです。
- 民間試験を導入するのは不公平。今すぐ見直すべき
- 数学記述式を初年度廃止 深まる混迷
- 入試改革をするなら、「私大入試」を何とかすべき
路線がずれているんですよね、今の日本の教育は。
いつまでも「上から与える教育」を続けるべきではないのです。
これからは、「個々の必要に応じることのできる、柔軟な教育」が必要だと思うのです。