教師をますます苦しくさせる「変形労働時間制」
教員の働き方は、改善するどころか悪化する一方。
「変形労働時間制」がどうやら法案化される見通しです。
日本の教師の仕事は多すぎです。
普段の授業に部活動、生徒指導、学級指導に保護者対応など。
どんなに頑張って遅くまで学校で働いても、残業代は支払われません。
「民間企業で1年単位の変形労働時間制を導入するには、働く人の意見を反映させた協定を労使が合意して結び、それを労基署に届け出るなど、さまざまな手続きを踏む必要があります。しかし現在の法案では、これらの過程はすべてスキップできるとされている。労働当事者である教員側の意見を反映させる機会が奪われているのです」
学校現場の声が一切反映されない教員の働き方は、もはや「国の奴隷」と化した働き方です。
本来力を入れるべき教育に、働きすぎによって力を入れられなくなることによる学校教育の質の低下が問題視されています。
教員の質の劣化は、授業の質の劣化に直結する。
「小学校での英語など新しい授業がどんどん入ってくると、その都度、勉強が必要になる。例えば2時間は授業準備に割いていたところを、疲れて余裕がなくなれば、今日はもう1時間でいいかな、となるでしょう。その分、授業の質は落ちます。(中略)」
繰り返し論じられている教育の質と教師の働きすぎ問題。
これだけ議論されていても、現状はほとんど変わっていません。むしろ、「変形労働時間制」という、現場の意見を完全無視した教師の働き方が、上から通達されて、ますます教師の労働時間を奪っていくばかり。
日本の教育には、未来がない。