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数列の極限② 高校の「あいまいな」公式を証明する

こんにちは。masaです。

 

 

さて、前回は「数列の極限」の、ホントの定義について少し紹介しました。

 

今回はこの、ホントの定義を利用して教科書に載っている公式の「あいまいな部分」を説明してみたいと思います。

 

とはいえ、内容は難しめですので、「なるほど、そのように証明できるのだな」という感覚で読んでいただければと思います。

 

今回の記事の目的

今回の記事の目的は、次のような「あいまいな」公式の理解を助けることです。

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そのように説明されれば、納得するしかなかった「あいまいな」公式の代表例です。

 

前回の内容のおさらい

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さて、前回ご紹介した、「数列の極限」の定義はこちらです。

 

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とはいえ、よくわからないと思います。

 

「数列の極限」の定義を「数式化」

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非常にわかりずらい極限の定義。まずはこの定義を次のように変換してみます。

  • 定義を「英語化」する
  • 「英語化」された定義を「数式化」する

 では一つずつ見ていきましょう。

 

定義を「英語化」する

英語化してみます。こうなります。

 

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日本語よりも、ずいぶんスッキリ記述できることがわかります。

 

「英語化」された定義を「数式化」する

そしてこの英語を、「数式化」するとこうなります。

 

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ここで、それぞれの記号の意味を簡単に説明しておきます。

 

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この記号の意味に慣れておくと、後々の説明が楽になりますので、しばしの辛抱を。

 

あいまいな公式を定義で証明

 では、公式1を証明してみましょう。

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次に、

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そして、
 

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となります。

 

 このようにして、「ホントの定義」に従って、あいまいな極限に関する公式を証明することができます。公式2もほぼ同手順で証明することが可能です。

 

 

今回の記事のテーマを思いついたのは、高校3年生を教えていてふと出てきた、数列の極限に関する命題の真偽問題がきっかけでした。

 

「これは、真だけど高校生レベルでは説明できないよな…」というものだったので、これは記事にしないといけない、と思い立ったのです。この辺りは、次回の「数列の極限」についての記事でご紹介します。