【切実】優秀な人ほど、教職に就きたがらない現実
こんにちは、masaです。
最近、職場の先生方には私の退職について「寂しくなるね」といった声をかけてもらうのですが、筆者自身の気持ちからすると、とても晴れ晴れしい気持ちである、今日この頃です。
さて、最近は教職現場の問題が全国的にクローズアップされる状態で、特に「長時間労働問題」が大きな焦点となっています。
この記事では、筆者自身が体験したことを交え、「優秀な人ほど教職現場には就きたがらない」問題について考えてみようと思います。
学生は教職を敬遠する傾向に
ここに、興味深い記事が載せられています。
この記事によれば、
- 日本の教職員は、他の国に比べて数学的リテラシーが高い
- 他の国に比べて、優秀な人材が教職員になっている
といいます。つまり、日本では優秀な人材が教職に集まり、他の国では優秀な人材が他の職種に流れているということです。
しかし、日本の教職員の給与は民間企業に比べてそれほど変わらず、さらに教職員の長時間労働が問題視される中、若者の間で「教員離れ」が始まりつつあるといいます。
長時間労働の現場 部活動によってもたらされる疲弊
教職を目指す学生は、少なからず教育に対する熱意をもって現場に入るでしょう。
実際私もその一人でした。
日本の教育制度の中で、中学と高校にある部活動は、どう考えても理不尽な要求です。
現状、どの学校でも正規採用や常勤採用の職員には何かしらの部活動に所属されることになっています。いわば、「教員だから、やって当たり前でしょ」のような雰囲気があります。
その部活動の競技の経験があり、目的をもって指導できる先生ならまだしも、大半は全く未経験の部活動に配属させられます。
そして、運動部なら、春のインターハイや秋の新人戦のようなハイシーズンになれば、土日がつぶれ、翌日からまた勤務。それが2週間以上続くことはざらです。
対価がほぼ支払われない 無給労働によるストレス
(上記の記事を参照)
部活動は、基本的に勤務として扱われないため、学校からの対価はほぼほぼ支払われません。
正確に言うと、支払われはしますが、日本の最低賃金をはるか下回る金額です。
さらに、授業後に居残って働いているケースも多いのですが、残業代はもちろん支払われることはなく、ただ働きしている状態なのです。
私の実体験として、4月のインターハイの季節は新学期の時期と重なり、そこで土日が連続してつぶれてしまうことが本当に苦痛で仕方がありませんでした。
何よりも、自分自身の貴重な時間が、本来やらなくてよい活動に奪われてしまうことに、ストレスをずっと抱えていたのです。
優秀な人ほど、教職から離れていく現実
教育に携わろうとする学生は、少なからずとも優秀な人が多いはずです。
これまでの経験やノウハウを、子供たちに伝えたいという熱意をもって現場に立とうとします。
しかし、実際の現場は問題だらけで、教科指導、生徒指導、進路指導、それだけでもヘトヘトになるのに、そこに勤務ではない部活指導によって生活の大半の時間を奪われてしまいます。
これでは、志の高い優秀な人材は、本来情熱をかけるべき教育に対する熱意を失ってしまうのは当然です。
その結果、優秀な人材が教職から離れ、教育の質は下がってしまいます。
まとめ
教職現場の状況を要約すると、こうです。
- 優秀な人材が、熱意をもって教職に就く
- 現場の理不尽さに圧倒される
- 結果、優秀な人材が教職を離れる
- 教育全体の質が低下する
教育現場にはほかにも様々な問題があって、ここでは語りつくせませんが、
少なくとも日本は現在こういった状況にあります。
優秀な人材は、他の業界へと流れていってしまうかもしれませんね。そして、質の高い教育が失われていってしまうかもしれません。