数学に対するよくある意見に反論してみました
こんにちは、masaです。
非常勤講師の現場で働いていて、本を読んでいる際に、思い出したことがありました。
次のようなセリフを、これまで幾度となく耳にしていたことを。
数学を勉強したところで、将来使わないし、役に立たないじゃないですか。
意味ないし、勉強するつもりなし。
数学に限らず、勉強したくない理由を「将来に役立たない」という言葉で締めくくるのは、よくある話。
また、こんなセリフもこれまでよく聞いてきました。
大学で数学科に進学しても、就職先がないよね。数学科はオタクが進学するところ。
医学部とか、薬学部とか、工学部 とか、将来性のある学部に進むべき。
今回は、この辺りについて記していきたいと思います。
「数学は役立たない」は本当か?
「数学は役立たない」について、反論します。
「役立たないから勉強しない」は言い訳でしかない
そもそも思うんですよね。
- 「役立たないから、勉強しない」は「勉強しない自分」の正当化
- 言い訳する前に、できることから始めるべき
「役立たない」というセリフが登場する場合、決まって当人には、他の人に「同情」を求める心理があるのではないかと思うのです。
「ホントそれ。数学なんて勉強しても意味ないよな」
このような返事を期待していたりして。
しかし多くの場合、数学を本気で努力し、理解しようとして、粘り強く取り組めば、このような「言い訳」をすることはないはずです。
数学を勉強しない理由は存在しない
数学を勉強しない理由はないと思います。
このように考えていて、「数学に強い」人は、社会に進出してからもかなり大きな武器になります。
好きか嫌いかは別として、数学が「役立たない」ということは理由にならないはず。
数学は本来楽しい科目
数学は本来、勉強するのが楽しくなる科目です。
しかし、学校教育が数学をつまらないものにしている気がしています。
【つまらない数学教育】
- 椅子に座って、黒板をノートに写し、解説を聞く
- 問題集にある問題をひたすら解く
- テストの結果に一喜一憂
【おもしろい数学教育】
- 1つの題材を用いて、対話しながら数学を考える
- 数学の問題を解き、友達と共有しながら学びあう
- 理解できた内容を他の人に解説する
数学を楽しく、効率よく学ぶポイントは「対話」と「教え合い」だと考えています。
一人で黙々と勉強する時間も必要ですが、学んだことを「他の人に教える」ことは、数学の力を加速度的に向上させます。
ちょっと難しい問題を、お互い考えたうえで、ともに議論し合い、解決を目指す。このような数学教育を目指したい。
「数学科に進学しても就職先がない」は本当か?
「数学科に進学しても就職先がない」これもよくある意見。
- 数学を学ぶのは、就職することが目的ではない
- 数学を勉強した結果、どこかの企業と縁があって就職できる
近年は大学が「就職専門学校」化しているので、どうしても「就職先があるかないか」→「進学する学部を決定」という流れになっています。
しかし、大学で勉強するのは「学問を追求」するためであるはず。そして、その「おまけ」で就職先が決まるというのが、大学で勉強する本来の目的です。そこがずれてしまっている。
ぶっちゃけ、数学が得意で、大学に入っても数学を勉強してスキルを磨いていた学生は、企業側からすればかなり有望な人材です。
数学は、現在のコンピューター社会にはなくてはならない学問で、数学を本当の意味で学び、自分のものにしている人は、社会的な評価は高いです。
私の周りの人たちも、結構いろいろな企業に就職していたり(IT系、アクチュアリー系、開発系など)、学校教員になったり、ドクターへ進んだりとしていました。「数学科は就職できない」は完全に思い込みですね。
学校教育を離れてからも、数学を勉強すべき話
私が思うに、数学は学校教育を離れた後でも勉強すべき科目だと思っています。
- 受験に迫られた勉強だと、じっくり腰を据えて勉強できない
- 受験に迫られた勉強だと、数学を深く考えて勉強する余裕がない
一方で、大学生や社会人になってから数学を勉強すると、これらの問題が解消されるので、数学の本来の面白さや奥深さを実感できたりします。
学生時代、数学が苦手だったとしても、あきらめる必要はありません。周りの多くの人が、数学は苦手だったりしますから、勉強して理解できるようになれば、自分自身にかなり自信が持てるようになるでしょう。
社会人になってからも、数学は勉強できるし、ぜひともトライしてもらいたいものです。
まとめ 数学は誰もが勉強すべき
ということで、以上の記事をまとめます。
- 数学は勉強しても役立たない→そんなことない。言い訳する前に勉強すべし
- 数学科に進学しても就職先がない→迷信。結構企業から有望視されている
- 社会人になってからでも、数学は勉強してみる価値あり
こんなところですかね。今回は数学にまつわるお話でした。
数学の素晴らしい点は、社会系の分野や科学系の分野のような「時代による変化」が全くないところでしょう。
2000年以上前に証明された定理は現在でも不変ですし、覆ることがありません。
「ずいぶん昔の三平方の定理が、現在は成り立つか怪しい…」と言って不安になりながら問題を解くこともないのです。「三平方の定理が使えるじゃないか!」と心に安心を抱いて問題を解くことができるのです。
数学が苦手であった方、ぜひもう一度、勉強してみてください。世界観が変わるかもしれませんよ。